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NOZAWA ONSEN

野沢温泉

世界的に有名な高品質のパウダースノーと温泉 

野沢温泉には、日本にスキーが伝わったとされる1911年の翌年に野沢温泉の斜面で滑走したと記録が残されているが、野沢温泉スキー場としての営業は1924年から。日本最古のスキーリゾートのひとつ。1998年長野冬季オリンピックでバイアスロンのイベントを開催。

ゲレンデは、毛無山(1650メートル)山頂から麓まで標高差1085m、 297ヘクタールの総ゲレンデ面積を誇り、その歴史と雪質は日本ではトップにランクされている。100%の天然で、雪質と雪の豊富さは日本でNo.1。

オーストリアのSt. Antonと野沢温泉は姉妹リゾートで、両方の村は伝統が染み込んだ独特なスキー文化を持っている。1930年、ハンネス・シュナイダーは、アールベルクスキー技術を教えることで、野沢温泉スキー場のスキー文化を作り上げた。

野沢温泉スキー場は外国人にフレンドリーで、英語のマップやパンフレット、英語の看板が用意されている。野沢温泉村はスキー場のふもとに位置し、スキーヤーやスノーボーダーに快適な環境を提供しながら、日本の伝統的な温泉地の雰囲気を維持するために努力している。

そして、野沢温泉はオールジーズンリゾートとして、その姿を変えようとしている。2017年夏にSports Parkをオープン。スキー場日影ゲレンデに全長652m高低差122mを駆け下りる「ジップスカイライド」、全長500m幅30mの「サマーゲレンデ」、家族で遊べるアスレチック「ナスキーパーク」の新たなアクティビティが誕生。

 

トレイル

このスキー場は、標高1,650mの毛無山の山頂から標高565mの山麓まで広がった、297ヘクタールの広さを誇るスキー場で、天然のパウダースノーに恵まれ、初心者にも上級スキーヤーにも最適な36種類のゲレンデから構成されています。

スキーやスノーボードに慣れていない方や家族連れの方には、上ノ平もお勧めです。日影ゴンドラと長坂ゴンドラのどちらからもアクセス可能で、広いエリアに緩い傾斜のゲレンデ、そしてスノーパークを備えています。スノーパークでは、パークならではのエキサイティングなアクティビティが楽しめるでしょう。そのためスノーボーダーやフリースタイルのスキーヤーには特に人気があります。このほか、やまびこエリアにはスカイラインコースがあります。この全長3,500メートルのパウダースノーコースは、山頂から山の尾根に沿ってベースエリアまで伸びるコースで、中級から上級のスキーヤーのほか、スノーボーダーにもお勧めです。スキルをお持ちであれば、シュナイダーコースに挑戦するという手もあります。傾斜が急でコブの多いパウダースノーコースです。
温泉街とスキー場を結ぶ便利な動く歩道「遊ロード」を利用して簡単にアクセスできる日陰ベースには、国際的なインストラクターから指導を受けられるスキー・スノーボードのスクールのほか、遊び場や楽しいアクティビティを複数備えたキッズパークもあります。
もっと穏やかな雪遊びがお好みの方用に、スキー場には他にも楽しいアクティビティが幅広く用意されています。雪上車「スノーキャット」に乗って、手つかずのエリアまで遠征してみてはいかがでしょう。確実に息をのむような絶景が見られます。あるいはスノーブーツを履いて、おとぎ話に出てくるような一面真っ白の森を雪の上をテクテク歩いてみましょう。自然の美しさが発見できます。
冒険好きのウインタースポーツファンであれ、やや穏やかなアクティビティがお好きな方であれ、スキー場で1日を過ごした後、こじんまりした温泉街へ戻り、温泉につかってゆっくり疲れを癒すのは至福のひと時です。

遊ロード

遊ロードは未来的な外観の動く歩道で、伝統的な温泉街の野沢温泉とスキーリゾートの日影ゲレンデの麓を結んでいます。1994年に作られたこのチューブ型の構造物は宇宙的なタイムトンネルを思わせ、あなたをまさに別世界へと連れていってくれます。屋根付きの遊ロードはウィンタースポーツアドベンチャーへの出発点としてとても便利ですし、スキーリフトと違って無料で、ユニークな撮影スポットも何か所かあります。

スノーキャット

スノーキャットは、もはや単に積もった雪を片付けるためだけの道具ではありません。野沢温泉スキーリゾートでは、この巨大な乗り物に乗って、冬季は通常立ち入ることができない手付かずの山頂付近を探索することができます。特に、ウィンタースポーツが苦手な人にとっては、雪で覆われた真っ白な美しい景色を眺めることができる素晴らしい方法です。スノーキャットで森の中を走行しながら、ニホンカモシカやウサギなどの野生動物に出会えることも。ライドは約45分間で、16名乗車可能なので、家族や大人数のグループでも楽しめます。

夏の野沢温泉スノーリゾート

野沢温泉スポーツパーク

公園や野沢温泉の動く歩道「遊ロード」で直接行くことができる日影ゲレンデの中に、野沢温泉スポーツ公園があります。

ジップライン

そこで、日影ゲレンデ上空で、最大20メートルの高さで時速70キロメートルに達する、全長652メートルのジップラインに乗ってみてましょう。他では味わえない環境の中で「飛んで」坂を下りながら、素晴らしい景色をお楽しみ頂けます。

サマースキー

屋外スキーは冬の間しかできないとのお考えは、野沢温泉に行けば間違いだとおわかりになるでしょう。木々が茂る青々とした山々に囲まれた日影スキーコースは、刺激的なサマースキーゲレンデに姿を変え、1年中スキーやスノーボードの練習ができます。ゲレンデは長さ500メートル、幅30メートルの巨大な白いマットに覆われています。その表面は本物の雪のようで、カービングターンやグラウンドトリックさえもできるのです。現地でスキーやスノーボードのレンタルが利用できます。

ナスキー公園

この公園は日影ゲレンデのふもとにあり、子どもにとってのパラダイスです。奇抜な緑色をした地元の葉野菜の野沢菜の形をした野沢温泉のキャラクター、ナスキーから名前を取っていて、多彩なアクティビティが自慢です。白い山のようなトランポリン、子ども専用のジップライン、雪のような表面を走るチューブでできた乗り物を思い浮かべてください。他にも盛り沢山です。
野沢温泉スポーツ公園は7月から11月までオープンしています。

上ノ平高原

長坂駅から長坂ゴンドラ経由で直接上ノ平高原に行くことができます。ここから息を呑むような野沢温泉とそのユニークな山岳風景が展望できるでしょう。でもそれで全てではありません。青々と茂ったブナの原生林はこの地域の豊かな自然を体験させてくれます。標高1,400メートルで、気温がずっと低いので、少し暖かい服装をお忘れなく。自然愛好家なら、7月初旬から8月下旬まで標高1,300メートルのスタカ湖の岸の隣でキャンプもできます。最大8人までのグループで木製の高床式のバンガローや、定員最大5人の常設テントに宿泊するか、あるいは自分のキャンプ用具を持ってきてくれば、他はキッチンスペース、コインシャワーとトイレがサイトで利用できますし、毛布や調理用具のレンタルもあります。キャンプ場の周りにはスリリングなマウンテンバイクのコースも設置されています。

宿泊施設

スキー場を作る目的で野沢温泉村はできていないので、村にはそびえ立つホテルはありません。独自の温泉文化がベースになっているので、伝統的な日本旅館や民宿、そして小さな洋風ホテルが宿泊施設となります。和室はかなり一般的な設備。野沢温泉に宿泊するなら、日本の文化に浸ることができる旅館がベスト。畳の床と布団で、伝統的文化を体験できます。

麻釜

野沢温泉の必見の場所の一つが村の共同の野外キッチンである麻釜です。野沢温泉の30の源泉の中でも最も熱い源泉から名前を取っていて、斜面の一番上にあります。麻釜には摂氏90度の、湯気が出るほど熱い鉱水が止めどなく流れる、5つの大きさの異なる湯溜まりがあります。地元の人たちはその湯を洗い物や、野菜や卵を茹でるのに使っています。ミネラル分が豊かなお湯は食べ物に驚くほどおいしい風味を加えます。特にこの地域の特産品である葉野菜の野沢菜は、温泉で茹でた後、えぐ味が消えるのです。
麻釜へ行くことができるのは地域の人々に限られていますし、それに安全上の理由から、訪問客は湯溜まりに近づくことはできません。しかし、それでも十分近い距離からその光景を見ることができますし、朝方の眺めが一番です。この地域の伝説にもなっている温泉卵を味わうには、麻釜と湯らりを結ぶ路地を歩いて行ってください。湯らりには数ある町の足湯の1つと、予め購入した卵(路地沿いのお土産物店で買うことができます)を茹でるための湯船があります。卵が食べられるようになるのにおよそ20分必要です。野沢温泉の素晴らしい眺めとともにリラックスできる足湯がありますので、間違いなく待つだけの価値はあります。

外湯

野沢温泉は江戸時代(1603〜1868年)に温泉街として栄えました。当時はアルカリ性のミネラル分の豊富な温泉を飲んだりそれに浸かったりするのはいくつもの病気を治すと言われていました。特に野沢温泉が誇りにしているのが、外湯と呼ばれる、この地域に点在し、「湯仲間」の地元の家庭が経営する13の共同浴場です。こういった浴場の大半は歩いて行ける距離にあり、その古く江戸時代からの建築様式に似た木造の建物ですぐにそれとわかります。こういった施設は落ち着いた雰囲気とひなびた素朴な造りを兼ね備えていて、男性女性それぞれ1室ずつで、10人用くらいの広さの浴槽と脱衣場がある、と思い描いてみてください。
全ての浴場は、地元の天然の源泉(摂氏40〜90度)から絶えずお湯が流れる注がれる温泉が備わっていて、日本語では源泉かけ流しと呼ばれています。浴槽のお湯の温度は様々ですが、普通は摂氏45〜49度です。初めての人にはこのお湯はちょっと大変かもしれませんが、その温度に慣れたとたんに、老化防止効果を謳い、皮膚をすべすべにする、その絹のように滑らかでミネラル分豊富なお湯から、体も心も恩恵を受けるでしょう。熱すぎれば、冷たい水を加えて温度を調節することもできますが、あらかじめ他の客にお湯の温度を変えてもいいか聞いてください。温泉施設に水着はふさわしくないことをお忘れなく。さらに、浴槽に入る前に、他の客のじゃまにならないように座ったまま体全体を洗ってください(タオルと石けんをお忘れなく)。
この13の共同浴場には入場料はありませんが、維持費のために寄付していただければ大変ありがたいです。寄付金箱はそれぞれの浴場の入り口の横に設置してあります。一部の外湯施設の隣に一つだけ屋内の湯溜まりがあるのを見かけるかもしれませんが、これは村人たちが洗濯や野菜洗いなどの日常の作業をするのに用いられているものです。
この絵のように美しい、郷愁を誘う町で、浴衣(薄手の綿の着物)を着て、小さな用水路のある狭い路地をそぞろ歩きながら、落ち着いた温泉めぐりの体験を楽しんでください。たとえ外湯に入るのに気が進まなくても、そのどれも訪れる価値があります。それぞれのユニークな建物を眺めたり、それぞれの浴場の前にあるチェックポイントでスタンプラリーに参加してみてください。

大湯

野沢温泉のシンボルともいえる大湯は、温泉街の中心にあり、江戸時代の趣を現在に伝える美しい湯屋建築が目を引く。外湯は基本的には無料だが、入り口には賽銭箱が置いてあるので、温泉に入って満足できたらなら、小銭を入れたい。

足湯

大湯の前に足湯が設置されています。また、5軒の旅館の玄関先にもあり、誰でも利用ですることができます。

ふるさとの湯

この「ふるさとの湯」は麻釜(おがま)に行く途中の斜面に位置しており、非公式の14番目の外湯として数えられています(入場料が必要)。2011年に建設されたこの伝統的な木造建築は、この小さな村の雰囲気や歴史と完璧に調和していま。この温泉は、源泉から自然に湧出した温泉水が常時流れ込む、源泉掛け流し温泉とみなされています。
他の外湯と比べて、この現代的な温泉施設はより広々としています。男湯、女湯のそれぞれに、露天風呂が1つ、そして熱湯(摂氏44度から45度)とぬる湯(摂氏42度から43度)から成る温度の異なる2つの内湯があります。石鹸、シャンプーなどの基本的なアメニティは備え付けられており、シャワーブースも利用可能です。

スパリーナ

源泉から湧出した温泉水が常時流れ込む、源泉掛け流しの露天風呂がある野沢温泉スパリーナは、野沢温泉村のミネラル豊富な温泉で、友人や家族、パートナーと一緒にくつろぐことができます。スパには室内風呂と露天風呂が備えられており、野沢温泉の公衆浴場と比べて湯の温度が低いので、特に温泉が初めての人にオススメです。
12月から3月にかけてのピークシーズンは、多くのビジターが野沢温泉への1日ツアーのためのベースキャンプとしてスパリーナを利用しています。この施設は午前6時半にオープンするので、雪山へ探索に出かける前に朝食を楽しむことができます。所持品を全てロッカーに預けてスキーリゾートに出かけるのもよし、午後1時ごろに温泉施設がオープンするまで、リクライニングチェアを備えたリラックスルームでくつろぐのもよし。手ぶらで来ても、施設で水着やタオルのレンタルが可能です。お腹が空いたら、スパリーナのレストランで昼食や夕食をとることができ、郷土料理や地域の名産、野沢菜を使った料理も提供されています。
夏季に訪れる予定の場合は、滝や噴水のあるアウトドアプールが特に子供たちに人気です。また、テラスもおしゃれなビアガーデンに変わります。

道祖神祭り

1863年から毎年定例で1月15日に開催されている野沢温泉の道祖神祭は、日本三大火祭りの一つです。この祭で人々は、村々やその住人達を災厄から保護し、また豊饒、円満な結婚生活、健康な子孫をもたらす道祖神に祈祷します。

道祖神は人々を災いから守り、幸せな結婚や子供たちの健康を見守る神です。野沢温泉の伝統によって、火祭りの間、村の住人達は道祖神の小さな木製彫像を一杯に入れた籠を匿名で交換し合います。このようにして地域住民の交流を推進する以外にもう一つ、道祖神火祭りの地域社会への貢献があります。野沢温泉に住む現在25歳と42歳の「厄年」の男性達に幸運をもたらすのです。

これら二つの「厄年」のグループが、この祭の取りまとめる中心となり、祭当日の2日前の1月13日に社殿(大きな木造の祭壇)を作る為の五本の神聖なブナの木を選びます。社殿の建設後、近くの神社から神主が呼ばれ、この社殿に道祖神の魂を授ける特別な儀式が行われます。
祭は1月15日の夜に本格的に始まり、村の男性住人達が種火から火を付けた松明を手に、社殿への攻撃を開始します。42歳の「厄男」達は社殿の上に座り、歌ったり唱えたりしながら屋根を防御し、25歳の男達はその下で、松の小枝を振りかざして松明の火をはね返し、木造社殿を守ります。戦いの興奮が去り、参加者達全てが離れた場所に避難すると、灯篭(子孫の健康と幸運を願う地元住民の家族達によって丁寧に作られた、装飾した竿に付いた大きな灯籠)と共に、社殿は儀式的に燃やされます。
美しく装飾されたこの大竿の複製は、おぼろ月夜の館に展示されています。

木造道祖神人形

道祖神は旅人や街を厄災から守ってくれる神道の守り神で、通常道端や村境、山道などにあります。一般的には人の形に彫った小さな石ですが、野沢温泉には道祖神の独自の解釈があります。ここの道祖神は、同じ大きさの一対の円筒形の木彫りの人形で、手で彩色されており、夫婦に見えます。そして子宝、幸せな結婚、子供の健康などをもたらしてくれる神様として祀られているのです。伝説によると、この神様はあまり魅力的でないない男女だったのですが、結婚したところ男の子に恵まれたといわれています。
野沢温泉を歩いているとあちこちで様々な色とデザインの可愛らしい木製の道祖神が目に入ります。地元の人は小さい道祖神を自宅の神棚にお祀りしていますが、玄関の外に飾っているお宅もあります。年に一度、1月15日に行われる道祖神火祭りの日の朝に、人々は道祖神人形を祭りの場に持っていって大きなかがり火の籠の中に納め、新しい一対を持ち帰ります。こうすることによって二人の神様は地元の人たちの縁結びに力を貸してくれるのです。霊的な助けを求めている方は、街中に点在するたくさんの土産店で道祖神を手に入れましょう。

スキー博物館

教会のような外観の日本スキー博物館は典型的なヨーロッパの山小屋風の建物に囲まれています。エリア全体を歩いてみると中心に丸い噴水のあるオーストリアの村を歩いているような気分になります。
博物館は世界で最もポピュラーなウィンタースポーツの一つ、スキーの辿った変遷について詳細な内容を伝えてくれます。展示は2つのフロアにまたがっており、6つの部分に分かれています。アジアのいくつかの地域の古いスキー道具を眺めたり、スキーの発展や服装の変化について学んだり、歴史的文献を読んだり、ポスターや地元の才能ある選手たちが冬季オリンピックで獲得したメダルなど多数の記念品を見たりすることができます。高松宮殿下が所有されていたスキー板の実物も展示されています。日本スキー博物館は日本や世界におけるスキーの歴史を知るには間違いなく最適な場所です。

スキーは、オーストリア=ハンガリー帝国の元将校であったテオドール・エードラー・フォン・レルヒによって、1911年1月に長野県の隣の新潟県に伝えられました。当時スキーは主として軍人がするもので、一本のストックだけで前進していたため、操るのはかなり困難でした。それから20年近くたってようやく、オーストリアのスキーの名手ハンネス・シュナイダーによってアールベルクテクニックと呼ばれるスキーの技法が伝えられました。著書 「Wunder des Schneeschuhs (スキーの驚異) 」が日本で出版された後、シュナイダーは1930年に秩父宮雍仁殿下に招かれ、2本のストックを使うエレガントなスポーツとなっていた新しい近代スキーの技法を説明し披露しました。この時に、この新しい近代的なスキー技術のデモンストレーションの場となったのが野沢温泉でした。そしてこれを契機として日本にプロフェッショナルなアルペンスキーが根付いたのです。

岡本太郎と野沢温泉

国際的に有名なアバンギャルドなアーティスト、岡本太郎 (1911-1996) は、野沢温泉をしばしば訪れていました。彼は若い頃の大部分をパリで過ごし、特にパブロ・ピカソの絵に触発されて抽象画を描き始めます。岡本の最も有名な作品は、大阪万博(1970)のために制作し、多くの人に影響を与えた巨大な「太陽の塔」(1970)です。この塔は人類の過去、現在、未来を象徴しており、日本における有名なパブリックアートの1つです。
1974年、岡本は、野沢温泉村がオーストリアのサンクト・アントンの姉妹都市となることを記念する、大きな記念碑の制作を任されました。この作品は、1972年冬季オリンピック札幌大会のために彼が以前デザインした公式記念メダルを模しており、プロスキーヤー、ハンネス・シュナイダーのブロンズ像の隣に設置したものです。シュナイダーは現代スキーをこの村で普及させた第一人者なのです。岡本はこの記念碑の落成式典に出席した際、自分がこの静かな小村に愛着を感じているのに気付き、冬期に定期的に訪れるようになります。彼はスキーに興じ、温泉で癒され、道祖神火祭りを楽しみました。岡本は地元の人に愛され、1991年には村の最初の名誉村民に選出されます。野沢温泉の通りを散策すると、岡本太郎の作品やデザインをあちこちで目にするでしょう。例えば、村の観光協会は彼の手書きの「湯」という文字をイメージロゴとして使っていますが、このロゴは村の温泉文化を非常によく表しています。

高野辰之記念館/おぼろ月夜の館

おぼろ月夜の館は、20世紀前半に活動していた、日本の有名な作詞家で国文学者、高野辰之  (1876-1947) の業績を称えるための記念館です。高野は、国内の小学校で使われている唱歌のいくつかを作詞しています。彼が作詞したものには、世代を超えて歌い継がれ、今なお非常に人気のある「春がきた」 (1910) 、「もみじ」(1911) 、「故郷」 (1914) などの有名な曲があります。高野辰之記念館は館内の1階にあり、著作物、日記、手紙など彼の数々の作品や身の回り品の常設展示室となっています。特に目を引くのは、彼が使用していたオフィスの実物大のジオラマでしょう。高野はこの小さな温泉村で約12年間過ごしたので、野沢温泉とは特別の繋がりがあります。彼は1934年以降、1943年に完全に野沢温泉に移住するまで、毎年夏に、麻釜近くの別荘「対雲山荘」に滞在していました。館内2階は展示物が定期的に入れ替わる特別展示室です。2階に上がる際には廊下の大きな窓から、村の名産、野沢菜の畑が見えます。窓には精巧に作られたステンドグラスがはめ込まれています。3階には休憩所が設置され、カラフルで巨大な灯篭のレプリカが飾られています。この灯篭は通常、毎年1月に行われる道祖神火祭りの際に使われるものです。飲み物やスナックが欲しくなったら1階に戻って隣接するカフェで一服するか、またはお土産の買い物をするのも良いでしょう。

シュナイダー広場 L’atlier KURA

近代的なアールベルクスキー技法を日本に伝えたオーストリアのスキーの名手、ハンネス・シュナイダーにちなんで名付けられたシュナイダー広場とカフェ&アートギャラリー L’Atelier KURAは観光案内所やバスターミナルに近い街の中心部にあります。便利なことに隣り合っているこの2つの場所は村を知るには間違いなく最適な場所です。シュナイダー広場には町の成長と評判に貢献した2人の重要人物を称える大きな記念碑があります。青いタイルに覆われた壁には木製のスキー板とストック一式とハンネス・シュナイダーのブロンズ製胸像が飾られています。1972年に北海道の札幌で開催された冬季オリンピックの公式記念メダルを模した大きな円形のモニュメントも見ることができます。この芸術作品は著名な前衛芸術家の故岡本太郎氏によってデザインされたものです。
そしてL’Atelier KURAは自家製のパンで人気があります。地元の葉物野菜、野沢菜を細かく刻んだものをマヨネーズで和えてはさんだサンドイッチ「野沢菜マヨパン」を味わうために早くから並びましょう。リノベーションされた古い倉庫(日本語で「蔵」)を使ったL’Atelier KURAの2階に上がるとそこは無料のアートギャラリーになっています。

ハウスサンアントン

野沢温泉の中心にある商店街、大湯通りをぶらぶら歩いていくとハウスサンアントンがあります。その外観は典型的なオーストリアの村の建物で (ハウスサンアントンの名もここからきています) 、ホテル、ジャム工場、レストラン、カフェが一緒になっています。
ホテルの客室は全部で13部屋。素晴らしい内装は居心地の良い雰囲気とモダンな特徴を併せ持ち、ヨーロッパの山小屋に似ています。ここに泊まらないとしてもレストランのディナーは味わう価値があります。ここでは、スキーの元チャンピオンでありリッツカールトン大阪の「ラベ」で修業した片桐健策氏が、新鮮な地元食材と厳選した輸入食材を使ってフランス料理に日本の伝統的料理法を組み合わせたクリエイティブな料理を供しています。特におすすめコースには、野沢温泉のノスタルジックな魅力と日本の大都市のモダンな雰囲気が融合されています。一方、居心地の良いカフェもあるジャムファクトリーはちょっと休憩するのにぴったりです。軽く何かを食べたいときは、長野名物のお焼きを食べてみましょう。野沢温泉では、発酵させた小麦粉生地で作った皮の中に地元で栽培されている人気の葉物野菜、野沢菜などの野菜を混ぜたジューシーな具を入れます。そのほかにもいろいろなパン、地元の果物で作ったアイスクリーム、様々な種類のコーヒーなどがあります。無添加の美味しい手作りジャムや季節のジュースの試食品が試食テーブルいっぱいに載っていますから遠慮しないで試してみましょう。お土産にぴったりなものや自分の朝食メニューに加えたいものが取り揃えられていますから、手ぶらでお店を出ることは間違いなくないでしょう。

おやき

おやきは長野県の伝統料理です。基本的に味噌や醤油で味付けされた野菜を小麦粉に詰めた、野県の伝統料理です。詰める中身は地域によって異なりますが、野沢温泉で一番の人気は野沢菜(Nozawana)のおやき。

野沢菜

野沢温泉名物「野沢菜」は、11月初めから半ばにかけて村のあちこちで取り入れが行われます。そして、野沢温泉の風物詩ともいわれる「お菜洗い」が始まります。早い年では、初雪も舞っていますが、「お菜洗い」は外湯の中で行われます。野沢の女性たちは、ここで世間話をしながら、ていねいに1mほどもある野沢菜を洗います。洗い清められた野沢菜は、大きな桶に漬け込まれ、年が明けて、「道祖神祭り」がはじまる頃には、美味なる野沢菜漬けが味わえます。

野沢菜と健命寺

このお寺の境内へと至る急な石の階段は、大きな針葉樹の木々に取り囲まれていて、ここを神秘的であり美しい場所にしています。この禅宗の曹洞宗の古いお寺は、4世紀以上前に山腹に建てられ、地元で栽培される葉野菜の野沢菜の発祥の地と言われています。野沢菜漬けは、少し塩っぱい味とシャキシャキした歯ざわりで人気ですが、健康によくビタミンCが豊富です。
1756年に8代目住職が研鑽のために京都を訪れ天王寺蕪というカブの一種の種を持ち帰りました。野沢温泉でこの種が播かれるやいなや、元の種類のものよりもずっと葉や茎が大きく育ちました。この寺の境内には今でも野沢菜畑が残っており、代々伝えられた貴重な宝である「寺種」をご購入いただけます。

野沢温泉朝市

5月〜10月に野沢温泉を訪れるなら、日曜日の朝は早起きをして、6時から7時半まで開かれる朝市に是非お出かけください。どうしてこんなに朝早くに開くのか、不思議に思われるかもしれません。でもこの街に13ある共同浴場はすべて朝5時に開きます。ということは温泉につかった後で朝市を訪れると、楽しい朝の散歩となるわけです。
目抜き通り「大湯通り」沿いで開かれるこの朝市では、地元や季節の食材をお求めになれます。晩夏や秋には近隣の果樹園で収穫されたぶどうやリンゴといった新鮮なくだもの、そして春には様々な種類の山菜、そして秋はきのこといった食材が目玉となります。野沢温泉の特産品で、地元の人にも観光客にも大人気の、野沢菜(日本産の葉物野菜)の漬物もお忘れなく。この農産物直売市ではこのほか、あけびの蔓細工、郷土玩具、木工品、お土産品、自家製のジャムなども販売されています。
温泉饅頭(小豆餡入り饅頭)、野沢菜コロッケ、笹寿司(笹の葉の上に広げられた寿司)、ヘルシーなスムージーなど、グルメ特産品を売る屋台や露店もあります。軽食をつまみながら、色々な露店を覗いて散策されてみてはいかがでしょう?

マイクロブルワリー里武士

一日雪の中で過ごして、あるいは温泉に浸かった後で、どうしてもビールが飲みたくなったら、共同浴場大湯の真正面にあるこのクラフトビールのブルーパブ(ブルワリー直営パブ) に行かない手はありません。イングランド人と日本人のカップルが経営するマイクロブルワリー、里武士のタップルームには、ホップが欲しくてたまらない人が20人ほど入れます。小さな立ち飲みバーといった風情の里武士はほかの旅行者や地元の人たちに混じって飲むのにぴったりの場所です。ブルワリーは地元の天然の湧き水と、地元産あるいは輸入された上質のオーガニックの原材料を使って独自のタイプのビールを作っています。里武士はいろいろな系統のイースト菌やバクテリアを試しつつ、基本を守りながらも新しいビールを考案しているブルワリーとして人気があります。
多彩なメニューの中から4つのお好みのタイプのビールが選べるテイスティングセットを頼んでみるのが一番です。ビールに合うおつまみもありますし、グループの中の未成年の方は地元産の果物を使ったハウスサンアントンの自家製ジュースを楽しめます。

湯沢神社例祭・湯沢温泉灯篭祭り

空は煌々としたオレンジ色の灯りで照らされ、健命寺の隣に位置する湯澤神社では毎年恒例の燈籠祭りが9月8日、9日に開催されます。地元の人々によればこの祭りの起源は江戸中期(1603-1868)までさかのぼるとされており、一年で最も楽しみにされている宗教的な行事のひとつ。
しかし、この祭りに初めて参加する者は少しばかり奇妙に思うことでしょう。と言うのも、この大がかりな2日間のイベントは42歳の男性たちのみが指揮を取り、年齢が25歳または60歳の者は厄年として参加します。野沢温泉に暮らす40歳~42歳の男性のみで構成される執行部はまとめて「三夜講」と呼ばれていますが、彼らが全ての準備を取り仕切っています。また「猿田彦(日本神話に登場する神)の舞」や「獅子舞」、「三十六歌仙(すぐれた歌人)舞」などの神事踊りは舞楽、雅楽、舞踊の保存に取り組む湯澤神社舞楽保存会によって行われます。

この色彩豊かな祭りは、初日は夜7時半頃に花火とともに始められます。つづく燈籠行列では、大きな棒につけた燈籠を持って外湯である十王堂の湯から大湯通りを経由し、湯澤神社に向けて通りを練り歩く姿が見られます。神道の神、猿田彦命が清めの神事を行うシメ切は見逃せません。この踊りでは、猿田彦命が拍子に合わせて火のついた大きな松明を振り回し、刀でシメ縄を断ち切ります。毎年このユニークで壮大な舞は夜中まで続くため、通りにならぶ屋台で売られている地元のおいしい軽食などを食べ、お腹を満たしておくと良いでしょう。

翌日の9月9日は、朝から子供たちがお神輿をかついで町中を練り歩く姿が見られます。

水尾

野沢温泉村「水尾山」のふもとより湧き出る天然水が、地酒「水尾」の造り水となります。「水尾」という名には、水の源という意味があると言われています。その名のとおり、一年を通して豊富に湧き出る水は、飲んで甘さと透明感を感じる、まさに銘水。「水尾」はこの水の特徴を生かし、香り、味わいともに良質な味わいを実現。

■田中酒造

TEL :(+81)-269-62-2057

URL:http://www.mizuo.co.jp/

野沢温泉のつる細工

野沢温泉ではあけび蔓(時々chocolate vineやfive-leaf akebiaと呼ばれるもの)で作った伝統工芸品を見逃すことはできません。特に有名なのが、温泉卵をゆでるのに使われる小さな編み籠や、地元の有名な民俗玩具の「鳩車」という、村中のお土産店で売られている鳩の形をした小さな乗り物です。
あけび蔓は春から秋にかけて近くの標高500〜800メートルの山岳地域の奥信濃に育ちます。10月から11月にわずかに残っている地元の職人が山に分け入り枝1本ずつ手作業で蔓を収穫します。その後、約20分間町の温泉のお湯に浸して、蔓を柔らかく編みやすくします。
この古典的な手工芸は江戸時代(1603〜1868年)に遡ります。当時、柔軟な蔓は背中に背負うカゴや、花カゴや日常的に使う製品にぴったりであることがわかったのです。
三久工芸では、多彩なあけび蔓製品を購入できますし、ワークショップに参加して自分だけのお土産品を作ることもできます。ここで異なった2種類のあけび蔓製品があることを発見するかもしれません。赤い色の品物はまだ外皮がついたままで、それに対して薄茶色のものは外皮を剥いでから編んだもので、手触りがより滑らかなのが自慢です。

つつじ山百番観音とつつじ山公園

つつじ山は、野沢温泉の北側にある丘です。この丘が特に美しくなるのは6月で、約5,000種類のツツジが山腹を真っ赤に染めます。小さな百番観音堂もある丘の頂上にある公園からは、村やスキー場、北アルプス、さらに北信五岳の5つの山頂を見渡す絶景が楽しめます。百体観音の石仏が並んだ、狭く曲がりくねった道を約25分登ったところにあります。
「日本百観音」とは、関西の「西國三十三番」、 関東の「坂東三十三番」、そして埼玉県の「秩父三十四番」という3つの独立した巡礼道を総合した巡礼ルートのことです。
野沢温泉にも、100体の観音石像が並ぶ独自の小道があります。この曲がりくねった道を歩くのは、日本全国に広がる「日本百観音」の3つの道すべてを訪れるのと同じご利益がある考えられています。伝説によると、1839年〜1849年に村人たちが作った観音石像は、これらの3つの観音霊場から持ち帰った土の上に安置されているということです。それ以来地元の人々は特に供養の際こちらの石像を用いており、石像一基に一燈ずつの燈明を献じ、先祖の供養や人々の無事をお祈りします。
豊かな緑に囲まれてハイキングを楽しみたいという方には、こちらの小規模な自然遊歩道がお勧めです。街の喧騒を離れて心をリフレッシュするには最高の場所です。ハイキングの後に、自分へのご褒美として温泉に入ってリフレッシュしましょう。

北陸新幹線とシャトルバス

2015年3月14日に北陸新幹線が開通し、東京から野沢温泉までアクセスが便利になった。野沢温泉の最寄り駅は、北陸新幹線 飯山駅。飯山駅からは、直通バス「野沢温泉ライナー」をご利用することができる。飯山駅から野沢温泉まで約25分。

■JR-EAST http://www.jreast.co.jp/e/

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野沢温泉観光協会

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